日本で品切れの防振双眼鏡を買う

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アメリカ住んでもう20年になっちゃったか、、、、。中国語&韓国語の案内板の氾濫、スイカやエディみたいなプリペイドカード。毎年帰る日本の変わり様はいまさら驚かないけど、去年は『傘さし自転車禁止』を知ってさすがに驚愕した。これはにわかに信じられなかったです。ほんと、冗談かと思ったもんだ。

コンサートのチケット事情もね、特殊。どんどんガラパゴス化してる気がする。人気グループならファンクラブに入らないとチケットが買えない!入って応募しても落選して行けない確立高し!って、、、、日本は少子化で人口減ってるんじゃなかったっけ?

、、、まぁ、これも受け入れよう。

コンサートに関連して新たに驚いたコト。それは双眼鏡がコンサートラッシュ時期は慢性的に品切れという事実。それも高級なモデルに限って!5万円だよ?

今ネットのニュースで学生の学費ローン地獄って記事を読んだばっかりだけど、えらく矛盾してない?貧困層はコンサート行かない?じゃ、こんなにチケット取れないってことは日本人のほとんどは富裕層じゃん?いったい日本はどこに行くの、、、??(遠い目)

なーんて、郷愁に浸ってる場合じゃない!双眼鏡、なんとしても買わなくては!

コンサートに手振れ防止双眼鏡

いままで双眼鏡というものに無頓着でありました。歌舞伎の2階席で、見せ場の早替わりの仕掛けに気付かず悔しい思いをしても、せっかくチケット取ってもらった京セラドームのアイドルコンサートでも大型スクリーンで姿を追うだけ。

事情が変わった。この夏に3年ぶりにツアーするY君のコンサートに行くんだから。たまたま今年は8月に帰省チケット取ってあったんで。念のため入っていたファンクラブからチケット2公演申し込んでなんとか一公演だけ当選。、、、で届いたチケット、席は2階一番後ろ(泣)

ネットオークションで買いなおす?そんなことしたことないし、昨今はダフ屋や他人名義のチケットは門前払いとかで、リスク高すぎ、、、。

で、双眼鏡を買わねば!

ヒマにまかせてググる。ジャニオタさん、AKB,モモクロさんなどのファンブログのコンサート参戦記事の数々をゲップが出そうなほど読みまして、行き着いたのがキャノンの手振れ防止付き双眼鏡 8×25 IS。マンハッタンのB&Hオンラインストアで310ドル

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8倍より10倍の10×30 IS IIが大人気だという。同じくB&H オンラインストアで489ドル

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10倍がよさそうだけど、Y君はホールコンサートだから8倍でよいみたいと書いてある。で、どちらも日本じゃ品切れ状態。(コレ重要!買うなら日本行く前、ココで今しかない!)

百聞は一見になんたらっていうので、会社帰りにマンハッタン東の、B&Hショップへ。ここはマンハッタンで一番大きいカメラ屋。ここの双眼鏡コーナーで実物を見せてもらう。いくつか購入をためらう疑問点を解決せねば。ところでここはガチガチのユダヤ教徒経営のお店なので、ユダヤ教の休日を忠実に守ってます。店は土曜休みで店員さんはカールしたもみあげの黒い帽子に背広着た男性が目立ちます。オンラインですら金曜夕方から土曜は注文受けつけず。

1)なにしろ「重い!」ということなので

8倍と10倍の両方。二つが並ぶのを見たら、8×25 ISはさすがに490グラムでコンパクト。10X30 IS IIは845グラム。平均的な非防振モデルよりバカでかくて重い!という先入観を持ってたけど、これなら2時間もち続けるのは何とかなりそう。楽々じゃないけどね。ボディはプラスチック製(*ボディの材質情報見つけられず)? 見かけよりは軽い感じで表面はゴム加工?すべることなく手の平にしっくり収まります。これと対照的なのは、非防振モデルで気になってる、70ドル代で買えるニコンのスポーツスターEX8x25。使われてるボディの表面素材がメタリックで高級感ある分重めだけど、小型なのでいいんですね。これがデカかったらこの素材じゃ重すぎるし滑りそう。

ニコンのスポーツスター、アメリカだとトレイルブレーザーって名前で売ってます。Y君コンサートじゃなきゃ(=顔をガン見する必要のない)、コレで済ませてたと思う。
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2)8倍なら防振は要らない?

店員さん、「8倍なら防振は要らないよ。」と。これが私を悩ませてる一番の元。双眼鏡コレクター玄人さんは必ずそう言うらしいけど、店頭で二人の店員さんから本当にそう言われた。素直にアドバイスに従うべき?

だったらなぜキャノンさんは8倍で防振モデル作ったんだろう?で、10年以上も製造中止にならずに売り続けているんだろう?だれか説明してほしい。

さっそく防振を試させてもらった。ターゲットにするのは店の窓越しから見える横断歩道で信号待ちしてる人達にしよう。防振ボタン押してみる。、、、、、、うん?あれれ、、、たいして変わらない。「ひゃあぁぁぁ~~!!」って驚くような違った世界が現れると期待してたのに。ターゲットの距離がまだまだ近すぎるせい?、8倍でも10倍でも防振押さなくてもクッキリ見えちゃうな。店内の奥のほうのレジにターゲット変えてみたけど、鮮明度はさほど変わらないぞ。もちろん10倍のほうが近く見えるし、レンズから見る視野も8倍よりデカイけど。10分くらい腕が疲れるくらい持ち続けてテストしてみないと防振の効果は分からないのかも。

防振機能のデモならユーチューブで参考になる動画があります。これは私の防振双眼鏡の購入意欲を80%後押ししてくれた。キャノンはこの投稿主に謝礼を上げてもいいと思う。

これも!一体どうやって撮影したんだろう?

3)倍率低いほうが明るい?

科学的セオリーから8倍のほうが明るく見えるという。愛用者さんのブログにこの点を試したっていうマニアックな記事は探せなかったんで気になるところ。店頭で試してみたけど晴天のガラス張りの明るい環境では8倍も10倍も違いが分からなかった。昼間だから?まぁ、気にしないことにする。明るさ暗さより、なるべく大きく見えるほうを優先したいところ。

3) 『ホールコンサートなら8倍』神話?

ホールなら8倍、ドームなら10倍か12倍が歌手の顔に焦点当てるのに適してるという。とりあえず、ホールの後列席に10倍モデル持ち込んで見えすぎて困ったって投稿はお目にかからない。で、ここは現実的に自分の状況を忘れちゃいけない。私の席は2階最後列なのだ!最後列!代々木体育館やドームとちがってトロッコ移動サービスもないだろうから常に常に遠いはず。この8倍説はとりあえず無視しよう。

脱線タイム:

悩みに悩む私に店員さん、「コンサートなら僕的にはコレ!」と。「イメージ・スタビライザー(防振)はボートに乗って観察するときに使うんで、コンサートなら必要ないよ。」と。CARSONっていうメーカーで7倍のもの。日本でもCARSON売ってますね。
Carson 7×20 Falconer Compact Binocular
binocular-carson

こりゃ小さい!27ドル。、、、、いいけどねぇ、念願のY君コンサートを夢みてムクムクとふくらんだ期待感を任せるにはかーなり心細い代物。まだ8倍のニコンのスポーツスターのほうがマシ!

3)使い勝手は新型モデルか?

ひとつ、歴然たる違いを見つけてしまった。

ピント合わせるための中央に位置するダイヤル、アングル調整するヒンジは10倍モデルはスムーズに軽々と動かせる。反対に8倍のダイヤルはすごく固いです。双眼鏡見ながら指先でするするっとピント合わせはできそうもないですよ。こういう微調整ってコンサート中に見てるときに変える必要ってあるのかな?どうなんだろう?実は8倍モデルは発売から10年以上アップデートないんだって。(双眼鏡市場はパソコンやカメラと違うんですね。)10倍モデルは2015年にリニューアルしてる。自然と10倍モデルは使い勝手に工夫が加わってるんでしょう。

電池も違う。8倍モデルの電池は一個400円はするリチウム電池。10倍モデルは充電して繰り返して使える単3乾電池。正直、私はどっちでもいい、、、。新品の電池入れて3時間持続して使えればオーケー。

さぁさぁ、どっちを買う?はやる心をよくよく整理してみて自分の最初の動機をハッキリさせてみた。私はY君のコンサートの2階最後列に立ってから見えにくさで後悔したくないのだ。わざわざアメリカから(ついでとはいえ)見に行くんだし、Y君はなぜかツアーを毎年やらないしね。持ってきた双眼鏡がパワー不足でハッキリ見えないことが判明しても、そこで後悔しても売店で防振双眼鏡が売ってるわけはないのだ。

4)塗装が劣化する?

気になるのは表面の塗装。USAアマゾンでのユーザーレビューのトップに位置してるレビューの星はひとつ。買ってから一年半あたりで表面のゴム加工した素材がべたついて剥げてきたという苦情です。アマゾンUSAの商品ページのレビューには剥げて無残な姿になった本体の写真も投稿されてる。でも、なぜか日本人ユーザーさんでこの塗装の劣化を指摘してるブログが見当たらない。不思議だなー。アメリカ人でこの防振モデル買う層はほとんど野外で野生鑑賞が目的。ボートに乗ったりして。だから日光に当てすぎたとか、多少砂ホコリにさらして使用したから、、、?暗い室内コンサートで年に数回(それともこれっきり、、?)使う程度で劣化を気にする必要ないかな?

じゃ、10倍だ。決まり!489ドル。送料&消費税かからず。

————続く————————-

翌日到着

さすがB&H。翌日午前中に届きました。店頭で買わずにオンラインで買って配送先は職場。これだと消費税がゼロになるのでした(*こみいったアメリカの税制の説明は省略。)

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オマケに人気のボトル、kleen kanteenが付いてきました。だいたい30ドルくらいの品。

さっそくオフィスから外をのぞいてみた。信号に着いてる交通サインとかを。うん!ピントのダイヤルがするする回せます。これは覗きながら微調整するものなんですね。防振ボタン試したけど、もともとターゲットがぶれてなくキレイに見えているでボタン押しても変化みられず。ホントに防振機能、大丈夫かなぁ?

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MADE IN JAPAN。ちょっと嬉しい。最近の双眼鏡の低価格モデルは中国製ばかりなんだそうです。

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これからストラップ買わなきゃ。日本で買えばいいかな。

————続く————————-

コンサートで実際使ってみた

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こうべ国際ホールの2階7列、つまり最後列。背後には追加販売の立ち見ファンがずらり立っておられました。ワタシ、視力は1.0以下。その視力で、コンサート開始前にステージから最前列席に立ってたセキュリティのお兄さんに標準を合わせてみて、、

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うそー!!小さい!ぜんぜん物足りないじゃん!顔はハッキリ見えてる。しかし、全身が視界に入ってまだまだ余る程。最適サイズなのかもしれないけど、Y君の顔をアップで見たいのに!

分かっちゃいたけどズームは効かない。あー、10倍でこんな見え方じゃ、8倍の買わなくて正解だった。同じモデルを使用してコンサート行ったファンブログにあったみたいな、髪の毛についた紙ふぶきの細部や、顔にしたたる汗の粒まで見えたりしませんでした。

ただ、手ブレ防止機能がたしかに効いてる。ためしに防振ボタンオフにして比べたりしたけど見え方の差がすごいです。か弱いワタシが2時間も双眼鏡を使い続けてる間も、ハッキリとY君の顔を映します。だからブレてガタガタの映像で酔うこともないし疲れない。
ただ、10倍じゃ物足りなかった、、、。かといって、15倍の防振双眼鏡は12万する、、、、。さすがに手が届かないんで、コンサート行く前から2階最後列ならこんな見え方だと知ってたとしても、結局は10倍で我慢したかもしれないなぁ。

後記:その後、Y君は東京でツアー最終公演が決まり、またファンクラブからチケット当選したので11月にコンサートのためだけに東京へ飛びました。そのあとで送付されてきたチケット、、、代々木体育館2階のCブロック最後列からふたつみっつ前の席(号泣!)この10倍の愛機持って行ったけど、結果かーなり物足りなかった。周りの客のほとんどが肉眼だけで見ているのが不思議でならないくらい遠い席でありました。アップにならない分ステージの様子も分かるので、開演中はずっと目にあてたままでも雰囲気楽しめるのは良かったかな?それはさておき、親戚の子も某アイドルのドームコンサート行くのに何回も借りにきて感謝されたしで、買った甲斐はありました。