岡山ルートで直島ベネッセミュージアムへ:一日目
岡山駅から直島ベネッセミュージアムへの行き方
朝6時半に家を出て新幹線はグリーン車で岡山へ。
10時、岡山駅に到着。
まず、岡山駅に着いたら観光案内所で直島パンフレットをもらっておきましょう。これ便利!そして、直島ベネッセのウェブサイトで直島アクセスマップをダウンロードしてプリントして持っていくこと。
岡山駅から宇野港へ
岡山から宇野港まで行くには両備バスかJR電車の2パターンがあります。かかる時間は同じくらいで45分~50分。10時に岡山駅に着いたので、10時半発の両備バスに乗りました。650円。これに乗れば、宇野港から本村行きの船に余裕で間に合うのです。(後発の電車ルートだと乗り換え時間に10分もないので不安。)駅出口からまっすぐ歩いてすぐのところにバス切符売り場があり、両備バスの窓口でチケット購入。3番乗り場から。
初めての岡山駅は、小さくもなく大きくもない、中規模で活気のある印象受けます。一昔の京都駅を思い出しますなぁ。駅ナカの商店街を駆け足で物色してお弁当買う。(結局食べなかった、、、)
レインボー号?虹というよりはアジアンテイストな内装のバスであります。のどかに各駅停車の路線バスの旅でありました。
これで50分かけて11時21分に宇野港で下車。
宇野港から本村までフェリー
宇野港、なんにもない。だだっ広い。港って、どこでもこんなもんなんですか?チケット売り場、おおきな看板掲げられてるのでバス降りて迷わず行けて一安心。フェリー往復券を買って11時55分発の本村行きフェリーに乗ります。本村でも宮浦行きでもどっちの船でも使える券でした。
宇野港で30分くらいフェリーを待つ。山国住まいの私たちにとっては澄んだ海面からみえる魚やクラゲを眺めているだけで楽しく、あっという間。
宇野港からフェリーで直島行くには、宮浦港行き(広い!車も搭載する大型フェリーで。)、本村港行き(こじんまりなボートみたいな小型客船で。)の2パターンです。行きは本牧行きフェリー、帰りは宮浦発フェリーにしました。なぜそうしたかと言われると、乗り継ぎ時間が短い効率いいルートで交通機関を決めたら自然とそうなってしまった。
本村あたりはコンビニのような店は見かけませんでした。本村からそのままベネッセホテルに行く予定なら、フェリーの待ち時間のときに宇野駅近くのセブンイレブンでオヤツとか飲み物買っておくのはいいかも。ベネッセホテルはテレビが部屋についてないので雑誌とかも。私たちは直島ステイは一泊だけなので退屈することなかったですが。
直島に着いたら、もう深く考えず、ベネッセのサイトから、ベネッセハウスで過ごす1泊2日コース(*もうサイトから削除されてます。)というプランをそのまんま従います。
家プロジェクトめぐり
一日目は家プロジェクトに行くのがよろしいということ。
家プロジェクト&安藤ミュージアムは本村港エリア内にあるので、偶然ながらも本村行きフェリー乗ってきて効率よかった。荷物は港から近くの本村ラウンジで預かってもらえます。
港からほど近い本村ラウンジはツーリストの拠点みたいなところ。ここから外人ツーリストさんの集団がえらく目に付く。
家プロジェクトめぐり。南寺にてジェームズ・タレルのインスタレーションを見学。これは案内人さんが必ずついてくれます。私達の入った時は誰も並んでなくて3人だけで案内してもらいました。きっと週末や連休は待ち時間があることでしょう、、。
石橋のトイレはキレイ。さすが世界的観光地!
碁会所にて。
途中で遅いランチ。ランチの場所は家プロジェクトの案内人さんに教えてもらった「あいすなお」という精進カフェで。外国人さんがどっと集結しておられ満員でありました。待ち始めて料理がでてくるまでにけっこう待たされました。
安藤ミュージアム、なんのことはない、ご自身の建築ドローイングとか模型が展示されてます。5分もかからず退散。安藤忠雄という建築家さん、まぁ、コンクリート建築空間はなんとも個性的ですけどね、、。威圧感というか、重さ、、?早く出たくなってしまうのは私だけ?でも、こういうのが素晴らしいという評価なんでしょうね。自らの名を冠した建物を建てるって、なんだかなぁ、、、?丹下健三さんすら、ご自身の名を冠した記念館なんて作ってないと思うけど。
点在している家プロジェクト界隈って、ひっそりとした過疎集落で、地元の住民さんとはほとんどすれ違うことなし。猫が一匹だけ。観光客を避けて家に篭っておられるのか、、、?既存の家屋を改造したようなカフェもあちこちに点在してたんですが、中の様子はどうなってるのかさっぱり分からない。ちょっとした異世界でありました。
いよいよベネッセ ハウスへ
本村ラウンジに戻り、隣の農協脇から出ているベネッセ宿泊者用バスでベネッセハウスに入り、チェックイン。小さなバスはほぼ満員で半分以上が外国人さん。宿泊者用バスとはいえ、運転手さん、わざわざ確かめるようなヤボなこと言いません。ベネッセホテルのサイトで運よく予約できた部屋はパークのツイン。オーバルはまったく空いてませんでした。ところでベネッセホテルの予約は大手旅行会社のデスクでは取り扱ってないようです。連れは、当初は宿泊だけは隣の小豆島のホテルで妥協しようとしてたほどです。
エントランス付近には必ず人間を模した作品が置かれてます。ベネッセのオーナーさんからゲストへの挨拶を意味しているそうです。ミュージアム棟はジャコメッティの作品が置いてありましたし。
ベネッセハウスで過ごす1泊2日コースによれば、次はシャトルバスに乗って李禹煥美術館にいくが良しとのこと。けれど、ホテルでのんびりコーヒータイムして着替えたり売店うろうろしてたため、李禹煥美術館はお流れ。そもそもリ・ウーファンって誰よ?ってもともと冷めてましたし。けっこうな炎天下の真昼に家プロジェクトめぐりしてたので体力消耗したんですね。
ホテル内を探検がてらラウンジへ。ラウンジのコーヒーはセルフサービス。「セルフ、、、?ここはビジネスホテルかい?」って、一瞬ガッカリしたものの、本格的なコーヒーマシーンなので美味しい。そういえば、敷地内にはフロント以外にあんまりスタッフさんがウロウロしてませんし、警備員さんは、そもそもいません。客室清掃の人にもすれ違いませんでした。
チェックイン時に、5時開始の日本語ツアーに参加申込みしておいた。私達の泊まるパーク棟からシャトルバスに乗ってミュージアム棟へ。玄関スロープを歩いてたら、すごくいい香りが、、、。なんの花だったのか?
ツアーは日本語のせいか、参加者は私たち入れて5名さん。
コレはぜひ参加すべき!
ベネッセミュージアムは敢えてオーディオガイドは置いてない。詳細な解説ボードが貼ってあるわけでもない。自分の眼と心で感じるだけに任せたいとのこと。
しかし、現代アートは感じるためのコツがあるはず。このガイドツアーで解説聞かなかったら作品のメッセージがさっぱり理解できてなかったのは確実。ウン万円した旅費が無駄になりかねない。とくに、草の彫刻!言われなければ、ぜったい見過ごしてました!階段を上ったあたりのコンクリの壁の境目にチョロリと雑草みたいなのが生えてるのが見えるんですが、なんと!これは木の彫刻!家プロジェクトの碁会所の畳の間に置かれた花の作家さんの作品なんだそうです。
とにかく、解説を聞いて、やっと作品の本質らしきもの見えてくる。えー!ほぉー!はぁ~~~、あー、そーなんですかぁ~~~、といちいちガイドさんの解説に感心する私たちでありました。でも、心底感動した、、ってことじゃなくて、「そこまでするか?よーやるわ!」って、アーティストの飽くなきこだわり様に心底あきれたというか、、、それを評価してアート作品として置いてる基準って何だ?ってこととか、それを大枚はたいて見に来て殊勝な面持ちで「鑑賞」という行動をしている自分たちに。イタリアでのルネッサンス美術めぐりすたときみたいな心にしみじみ響いて染み渡る、、というような心象はわきあがってこないのは確か。
テラスレストランで夕食
さて、現代アートの余韻に浸る間はないのでした。
6時にパーク棟のテラスレストランを予約してあるので、ツアー終わったら即シャトル乗ってテラスレストラン近くで降ろしてもらい、食事です。
食事は2コースしか選べない、ってわけではないらしいけど、アラカルトメニューがあまりに少ないので8000円が11000円のコースを頼むしかない。私の奢りで8000円コースを予約しておいたので選ぶのはワインだけ。白ワインで乾杯してスタートです。ひとつ、ちょっと気になった。私達は温泉ツアー旅行や日本式経営のコースメニューだけのレストランに慣れてるから気にならないけど、連泊するような富裕欧米人客はこれで満足なんだろうか?ニューヨークでは、熟練ウェイターさんと相談して何から何まで希望通りに好きなものだけでメニュー組んで、その分チップをたっぷり出して、、、ってなのが高級どころのレストランなんだけど。ここに来る前はベネッセホテルってグローバルレベルの高級リゾートホテルなんだとイメージしてましたが、ちょっと違うな。いい意味で。(もしかしたら超VIP客さんには専属送迎カーにガイドさんやルームサービスがあるのかもしれない?どうなんだろう?)
ウェイターさんは慣れているようで質問なんでもござれ!ってな余裕で優雅に立ちまわっておられ、私達も気持よく食事を楽しめました。海の見える窓際のテーブルで、徳島の市街をバックに、タンカーとかの船がひっきりなしに横切る風景は瀬戸内海ならでは。北陸や伊勢の海にしか馴染みがなかった私には刺激的な海に映ります。
焼きたてフォッカッチャ、食べ過ぎてしまった。デザートに出されたアカシアのアイスクリームのほろ苦い風味は忘れられません。美味しかった~~。
おひとりさま女性も、、
ところで、二つ隣のテーブルでは一人旅らしき若い外国人女性がフルコース食べておられました。後ろのテーブルは妙齢の日本人女性がまた1人で。なぜ目についたかというと、私もガンガンとおひとり様旅行してるからかも。こないだはラスベガスをおひとりサマ観光してしまった。どうしてもコンサートに行きたかったからしょうがない。私がかつて行きまくったヨーロッパ一人旅はテイクアウトしてホテルで部屋メシか、駅ナカなんかの大衆的なセルフサービスのところに行ったものでした。気楽な一人旅なれど夕食タイムって唯一”おひとりでいること”が辛かったなぁ、、って思い出してしまった。ヨーロッパでは、アジア女性だからって舐められてるような引け目を感じちゃったし。そして、空港での待ち時間、荷物番頼む人いないから荷物を総抱えしてトイレに入るときね、、。
ここでも、いつまでもテーブルでゆっくりしてられないのでした。8時からパーク棟ツアーに参加です。これは私たちのみで貸切状態でラッキー。これまた、意義のあるツアーでした。何しろ私たちは作品の下調べを全然してなかったもので。翌日のチェックアウトのときに部屋のデスクの引き出しに美術館ガイドブックが入ってたことに気付いたけど、すでに遅し、、、。
パーク棟はあとから建設されたので、オープンしてまだ10年くらい。
安藤忠雄氏のマスタープランに、あとから杉本博氏が全体を監修したそうです。収蔵作品はほぼ杉本氏の作品で、「鎮魂」がテーマなんだそうです。写真作品のサイズが大きくてびっくり。メトロポリタン美術館で特別展を見てますが、こんなに大きなサイズのプリントではなかった。展示室に入ると、一番最初に松林を撮影した大作が目を惹きます。ツアーの終わりがけに、この撮影場所が皇居と聞かされて、それがなぜか妙に腑に落ちる思いで納得してしまった。美保の松原ではなく、皇居であることに。説明不能ですね。
もちろん、撮影禁止。
この展示室から客室フロアに直通で戻れるエレベーターがありました。やっぱりホテルに泊まってこそのベネッセミュージアムであります。
このあとミュージアム棟に行って夜の鑑賞したかったけど、部屋に戻って寝てしまう。朝7時出発したから疲れはててました。あぁ、もったいない!「天秘」の大理石に寝そべって夜空を見たかった、、、。
部屋に戻るとき、廊下でカラのワゴンを引いてる従業員さんとすれちがい。もしかして、噂の夜食を配ってたのかな?もらい損ねてしまいました。どっちみち、お腹空いてないから食べられなかったと思いますが。
ホテル客室
3万5千円(プラス、税金などなど)でこの広さ?、、と思ったのは確か。非常にコンパクトなツインルーム。さすが、テレビがない!ベッド近くに充電するコンセントもない!
でも、キッチンカウンター兼ドレッサー、トイレとバスルームの設計にこだわりを感じます。クローゼットはなく、壁掛けフックだけ。ワンルーム・マンションを設計するなら参考にしたいレイアウトですね。
お風呂もタイル張り。蛇口がかっこよくて使いやすかった。
ミニ洗面台。
部屋のベランダはプライバシーが守られてて、海辺を歩く人から中は見えないそうです。安藤建築自慢のコンクリートはさすがに客室では剥き出しになってなくて、白い壁に木製の調度品でリラックスできました。
実はゴキブリがいました。ここに写真は貼らないでおきますが、私の地元でみるような日本サイズじゃなく巨大なのが一匹、、、。瀬戸内海のはこんなのは普通?それとも外国人客のスーツケースから入ってきたとか、、、?